経絡治療は身体全体のバランスを調えることで症状を改善し、病を癒
す治療です

経絡治療は、日本独自で発展した伝統鍼灸治療法です。
その概念は、中国最古の医学書「黄帝内経(こうていだいきょう)」の「素問」・「霊枢」と「難経」、「十四経発揮」という古典医書に基づいています
病や症状の現れは経絡の変動に反映するという観点から、診断法に脈診を用いることでその概念に基づく有効的な経穴を選択し運用します。経絡は身体全体に巡っているので治療の対象は全身に及びます。
経絡とは
東洋医学では身体に全身をくまなくめぐる14本の「気血の流れ」=「経
絡」が存在していると考えられています
「気」とは「生きる力」で、その中には「自然治癒力」等が含まれています
「血」とは「血液」や「リンパ」など身体に栄養を与えるものです

経絡はそれぞれに調和を取りながら潤滑に流れることで健康を維持しています。
病や心身の不調は経絡の不調和に現れます(またその逆も然り)。
主な経絡の流れ

- 手の太陰肺経
- 手の陽明大腸経
- 足の陽明胃経
- 足の太陰脾経
- 手の少陰心経
- 手の太陽小腸経
- 足の太陽膀胱経
- 足の少陰腎経
- 手の厥陰心包経
- 手の少陽三焦経
- 足の少陽胆経
- 足の厥陰肝経
- 任脈
- 督脈
これらの経絡は互いに結びつき影響しあいながら調和を図り、健やかな身体の働きを担っています。
当院はこの経絡の調和を図る経絡治療によって全身の調整を行う事で病を癒し、自然治癒力と自己免疫力を高めると共に未病を治す手助けを致します。
未病とは
「未病」とは病気になる前の不安定な状態のことです
東洋医学である鍼灸治療は、病気でなくてもご本人に心身の不調が現れるこの「未病」に対応し、防ぐお手伝いも致します。
また「身体がだるい」「食欲がない」「頭が痛い」など「どうも調子が悪い」と思う症状があるのに実際に病院に行くと「特に異常がない」という事があります。
これは東洋医学でいう「未病」という状態かもしれません。
「上工は未病を治す」
上工とは腕の良い医者のことです。
東洋医学には「上工は未病を治す」という言葉があります。
これは中国の古典医学書「黄帝内経素問」に書かれている「上工は病の萌芽を治し下工は己病を治す」ことに由来します。
「腕の良い医者は病が発病する前(発病しそうな状態)に治療し病を未然に防ぐのである」という意味です。
病気になった時はもちろんの事、病気にならないために常に気をくばり「未病を防ぐ」ことも健やかな生活に大切なことです。
それは同時に「養生」でもあります。
私は鍼灸師として、そのお手伝いをするために日々努めて参りたいと思います。