当院の治療

治療方針

当院の治療は

「はり・灸」専門です

当院の鍼灸治療は東洋医学の概念に基づいた「経絡治療(けいらくちりょう)」です

よく「〇〇に効くツボはどこですか?」という質問を受けますが、当院では「この症状ならばこの経穴(ツボ)を使う」といった「ツボ治療」はいたしておりません。

確かに数千年の歴史を持つ東洋医学には「特効穴」という「ある疾病に効果的な経穴(ツボ)」が存在することが言われています。しかし、ただ単純に特効穴を使えばすぐさま効果があるのかと言うとそうでもありません。

東洋医学では、身体には全身をくまなく巡る14本の「気血の流れ」=「経絡」が存在していると考えています

経絡はそれぞれに調和を取りながら身体をまんべんなく潤滑に流れることで健康を維持しています。そのため病や心身の不調は経絡の不調和に現れると考えています(またその逆も然り)。

経絡の流れが潤滑になるのと同時に特効穴を運用すれば、その効果は単一なものよりずっと効果的になります。

そういう意味では特効穴を使うことはありますが、あくまでも経絡の流れを整えた上で有効的だと判断した場合に使っています。

当院はこの経絡の調和を図る経絡治療によって全身の調整を行う事で病を癒し、自然治癒力と自己免疫力を高めると共に未病を治す手助けを致します。

施術者は女性鍼灸師です

女性特有の症状やそれに伴う不定愁訴など、なかなか口にしづらい事もある事と思います。そのような時に少しでも気楽に受診できる場として当院をご利用ください。

また男性の方も同じように、昨今は不定愁訴をお持ちになる方が多くなっています。鍼灸治療はお身体全体を通してご自身の安定した状態を取り戻す治療でもあります。    

安定した状態とは精神も含めての安定です。

施術方法

東洋医学の一角を担う経絡治療では病名にこ

だわりはありません

実際の施術に関しては現状の病名をお伺いして検査データなど西洋医学の情報も考慮致しますが、あくまでも主軸は上記の東洋医学の概念で行います。

治療の診断は脈診を軸に行います 

脈診では患者さまの左右両手首の脈を診て判断いたしますが、腹部を触診したりもします。

また原則として患部のみを扱ったり患部に直接鍼灸をする局所治療は致しません。

*ただし、場合により患部に直接鍼灸を施すことがあります

東洋医学の立場から診る症状の緩和と改善には、その方のお身体全体を通して知る必要があるからです。

少ない経穴で適切な刺激

経絡は全身を巡り、それぞれが調和を取りな

がら身体の調整をしています

例えるなら経絡は路線、経穴は路線上に置かれている駅です

ある路線でトラブルが生じた場合、その路線上の駅だけではなく関連する路線に支障が波及します。しかし解決の方法は一つではありません。解決の手段はそのトラブルがどういった類のトラブルかによるからです。

経絡治療はそのトラブルの原因を脈診で調べる事ができます。

脈診による適切な経穴の運用ができていれば、少数穴でも十分な効果が期待できます。むしろその方が効く場合が多く見られます。

未病を治す

 東洋医学には症状の改善と治癒はもちろんですが、もう一つ大切な考えがあります。

それは「未病を治す(防ぐ)」という考えです

「未病」とは、約2千年前の古来中国の医学書「黄帝内経」から伝わる考え方で、病気になりそうな不安定な状態の事です。病気にならないように気を付けること=「未病を治す」という事は「健康管理」であり快適な毎日を続ける「健康維持」でもあります。それを「養生」と言います。

 現代ではこの東洋医学の「未病を治す」という考えを原点として「予防医学」の大切さが言われています。   

「自分の身体の事は自分が一番よく知っている」、はいその通りです。

意識無意識に関わらず心身は正直です

自分で治す

鍼灸治療はもともと人に備わっている「自然治癒力」「自己免疫力」を活かせるように手助けする治療法です。

“活かす”とは“生かす”事でもあります

「病は気から」ということばがあります。この「気」は「気もち」の「気」だけではありません。

「気」は本来、人の「生きる力」(自然治癒力・自己免疫力)からきています。その「気」を上手く働かせるには「血」もまた必要です。「血」は「血液」であり「栄養」です。

人の身体はこの「気」と「血」の正常な運行によって保たれています。それを調整するのはご本人です。この働きがしっかりしていれば、ちょっとやそっとの事で崩れることはありません。それには日頃の「養生」が大切なのは言うまでもありません。

鍼灸治療を通して症状の改善がみられるのは、ご本人の「自然治癒力」と「自己免疫力」が着いた証でもあります。

使用する鍼について

ディスポーサブル鍼
小児鍼
  • 毎治療ごとに使い捨て鍼(ディスポーザブル鍼)と使い捨てのトレイを使用します。
  • 鍼の太さは髪の毛ほどの細さです。
  • 鍼の刺入の深さは通常2~3ミリ、深く刺しても5ミリ程度で痛みはほとんど感じません。「経穴は皮膚の下、筋肉の上にある」と古来の医書に書かれています。

*まれに過敏な方がいらっしゃいますが、このような方は小児鍼のような刺さない鍼や手技を用いて治療を行いますからご安心ください。小児鍼は皮膚をこするような鍼で、0歳児から治療することができます。

お灸について

  • お灸はもぐさを使い、直接経穴に据えます。
  • 原則として火傷防止の専用シールを使用しますので火傷の心配はまずありません。
  • 据えるお灸の大きさは、米粒大の半分~それ以下の大変小さいものです。感じる熱さは一瞬で終わるようなものですから、返って据えた後に心地よさを感じるという方が多いようです。
  • お灸は手で撚って使いますが、その撚り加減と大きさで経穴の運用を微妙に変えることが出来ます。実際の治療を受けられる中で、お灸はただ据えるだけではないという事を知って頂けると思います。

*ただし症状によっては直接お灸を据えることもあります。その場合は細い糸のようなお灸を据えます。

診療にかかる時間

  • 初診時の場合は通常1時間程度の診療時間を要します。                          初診時は受付後、問診票の記入や当院の治療についての説明をいたしますので余裕をもってご来院ください。
  • 再診時は症状にもよりますが、概ね20~30分程度となります。

*その他ご不明な点はご相談ください

その他

当院では経穴の運用に関して、患者さまご自身の脈状に合せた適切な手技を用いて刺激を調整いたしますので、ご心配はまずありません。

ただし、時に「瞑眩反応(めんげんはんのう)」という西洋医学でいう「好転反応」と同じような状態になる場合があります。これについては診療時にきちんとご説明させていただいておりますのでご安心ください。